Letaraと将来宇宙輸送システム、世界初「CAMUI型合成ゴム燃料ロケットエンジン」の燃焼試験を共同実施
このたび、Letara株式会社(本社:北海道札幌市、代表:平井翔大、ケンプス・ランドン、以下「Letara」)と将来宇宙輸送システム株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:畑田康二郎、以下ISC)と共同で、CAMUI型設計を採用したハイブリッドエンジンの燃焼試験を実施いたしましたので、お知らせいたします。


このたび、Letara株式会社(本社:北海道札幌市、代表:平井翔大、ケンプス・ランドン、以下「Letara」)と将来宇宙輸送システム株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:畑田康二郎、以下ISC)と共同で、CAMUI型設計を採用したハイブリッドエンジンの燃焼試験を実施いたしましたので、お知らせいたします。
なお、HTPB(合成ゴム)を燃料に用いたCAMUI型ハイブリッドロケットエンジンの燃焼試験は、世界初の試みとなります。

2025年7月1日(火)、北海道赤平市のLetara試験場にて、ハイブリッドロケットエンジンの燃焼試験を実施し、目標としていた7秒間の安定した燃焼と推力5000N(ニュートン)の達成を確認しました。5000Nという推力レベルでの試験を通じて、エンジン設計の信頼性に関するデータも得ることができました。Letaraでは現在、2028年に100kg級の人工衛星を高度500kmまで運ぶロケットの打上げを目指して、ハイブリッドロケットの開発を進めています。
今回の試験では、「HTPB(合成ゴム)」という特殊なゴム素材を燃料に使用しました。HTPB採用の目的は、開発スピードを飛躍的に向上できること、そしてエンジンスケールによる安価かつ協力なロケットを作れることです。HTPBを活用することで、開発サイクルを大幅に短縮し、技術の成熟を加速させることができます。また、HTPBを使うことで、ひとつの大きなエンジンブロックでロケットを設計できるようになり、これまでより多くの荷物(人工衛星や実験機器など)を宇宙に運ぶことが可能になります。その結果、打上げコストを大きく下げることができ、宇宙ビジネスにおける高いコストパフォーマンスも期待されます。
HTPBはこれまで広く使われてきたプラスチック系燃料とは異なる新しい選択肢であり、HTPBを使ったCAMUI型ハイブリッドロケットの燃焼試験としては、世界初の成功事例となりました。今回の7秒間の連続燃焼は、燃焼挙動が安定していることを確認するのに十分な時間であり、この間に得られる大量のデータから、エンジン内部の流れや燃焼の様子を精密に分析することが可能になります。
CAMUI型ロケットとは?
CAMUI型とは、燃料内部に複数の中空筒(ホール)を通すことで燃焼面積を保ち、燃焼を安定させる設計方式です。推力を効率的に維持しながら燃焼を継続できるこの構造は、一般的な単孔型のハイブリッド燃料に比べて、長時間かつ制御しやすい燃焼を可能にします。CAMUI型HTPBは、同じサイズでも従来のプラスチック燃料より速く燃えて、強い力を生み出すことができます。そのため、大きな推力を出すために燃料をたくさん積む必要がなく、エンジンのサイズを小さく、軽くすることが可能になります。Letaraの共同創業者ら(平井翔大氏、ケンプス・ランドン氏)は、このCAMUI型の基礎研究と技術開発に北海道大学で長年携わってきた経緯があり、現在のエンジン設計にもその知見が活かされています。

試験概要
- 試験目的
- CAMUI型合成ゴム素材による固体燃料の着火・燃焼確認
- 7秒間の安定燃焼の達成
- 5000N推力の達成
- 試験成果
- 合成ゴム燃料での着火・7秒の連続燃焼を確認
- 試験日時
- 2025年7月1日(火)
- 試験場所
- Letara試験場(北海道赤平市共和町230-50 株式会社植松電機 内)
Company Profiles
将来宇宙輸送株式会社 会社概要
法人名 将来宇宙輸送システム株式会社
英語名 Innovative Space Carrier Inc.
代表者 代表取締役 畑田康二郎
本社所在地 東京都中央区日本橋1-4-1
設立日 2022年5月2日
事業内容 革新的な宇宙輸送システムの事業化に向けた企画検討
URL: https://innovative-space-carrier.co.jp
Letara株式会社 会社概要
法人名 Letara株式会社
英語名 Letara Ltd
代表者 平井 翔大、ケンプス・ランドン・トマス
本社所在地 北海道札幌市西区発寒9条10丁目2番10号
設立日 2020年6月23日
事業内容 ロケットと衛星用推進システムの開発・提供
URL: https://www.letara.space
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