Letara(株)がNEDO DTSU事業PCAフェーズに採択 最大で約 10億円の助成

LetaraがNEDO DTSU事業 PCAフェーズ (実用化研究開発(後期)) に採択

Letara株式会社 (本社: 北海道札幌市、代表取締役Co−CEO平井翔大、および同KAMPS Landon)は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU事業)に採択され、最大で約10億円の助成を受けることが決定しました。本事業を通じて、小型宇宙機(人工衛星)に対応した小型ハイブリッド推進システムの宇宙実証を目指します。本事業のPCAフェーズでプラスチックを使用したハイブリッド推進システムの軌道上実証に成功すれば、Letaraの技術は史上初の軌道上実証済みハイブリッド推進システムになります。

Letaraはこれまで、NEDOのNEP事業およびDTSU事業のSTSフェーズにより、革新的な推進技術を利用したハイブリッドエンジンの複数のプロトタイプ開発に成功してきました。この度、DTSU事業のPCAフェーズに採択されたことでLetaraは宇宙空間での軌道上実証、ひいては推進システムの大規模な商業化に、これまで以上に近づくことができます。


NEDO ディープテック・スタートアップ支援事業とは

NEDOは、持続可能な社会の実現に必要な研究開発の推進を通じて、イノベーションを創出する、国立研究開発法人です。リスクが高い革新的な技術の開発や実証を行い、成果の社会実装を促進する「イノベーション・アクセラレーター」として、社会課題の解決を目指します。NEDOは1,464億円の予算と各種基金予算を有し、71件の事業・プロジェクトを支援しています(いずれも、2025年4月1日現在)。

ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU事業)は、革新的な技術の研究開発に取り組む「ディープテック・スタートアップ」を対象とし、実用化研究開発や量産化実証を3つのフェーズで支援します。技術の確立や事業化、社会実装までに長期的な研究開発と大規模な資金を要し、リスクは高いものの国や世界全体で対処すべき経済社会課題の解決にも資すると考えられる事業が対象となります。

これまでの支援事業のまとめ

これまで、DTSU事業のSTSフェーズ(2023年度~2024年度)において、1U~2UサイズのEM(エンジニアリングモデル)の開発に向けて、地上設備やBBM、EM設計、各種試験を実施してきました。その結果、ハイブリッド化学推進の実用化に向けた要素技術、試験設備、宇宙実証用モデルの予備開発が完了しました。

また、前回のDTSU事業のSTSフェーズでは、札幌市内に事業拠点を設け、滝川市内にある旧江部乙中学校の校舎をハイブリッド推進システムの試験用に改修しました。この事業フェーズを通じて、Letaraは適切な環境での試験を繰り返し実施してきた結果、推進技術とその応用を確固たるものにすることができました。

今後のDTSU事業のPCAフェーズ(2025年度〜2026年度)では宇宙空間での軌道上実証の段階に入ります。製品設計において、各ハイブリッド化学推進システムは幅広い宇宙機のスケールに適用できるようにモジュール化されています。宇宙実証の初期段階では、キューブサットから小型衛星を対象としています。将来的には、大型衛星に対応する、スケールアップしたハイブリッド化学推進を提供することを目指します。

本事業の目的

PCAフェーズ終了後に事業化に必要な課題を克服し、社会実装を加速させるための取り組みを行います。今後、推進システムの宇宙実証後に、Letaraは日本を代表する技術を事業化し、海外に輸出することを目的とします。宇宙産業の市場活動の大部分が集中している米国への進出を一つの選択肢として視野に入れています。また、ハイブリッド推進技術のさらなる応用は、多様な潜在分野での応用も検討されています。


本事業の目指している成果

助成事業期間終了時(2026年度見込み)には、革新的なハイブリッド化学推進システムの宇宙実証の完了を目指します。また、DTSU事業のDMPフェーズを見据えたスケーラブルな設計の実証の準備を進めていきます。本助成プロジェクトを通じて、プロジェクト終了時には市場参入していき、契約獲得できる基盤を構築することを目指します。

■関連リンク

NEDO DTSU事業について

https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100250.html

Letaraの過去の採択記事 (2023年9月)

https://shorturl.at/0KGlY